しばらくすると、会場のお客さん達もだいぶはけていき、
「おっ、嵐兄ちゃん!!!」
招待席の方へ嵐がやってきて和希瑞希は嬉しそうに抱きついた。
「日本代表ユニフォームさまになってんじゃん!!嵐兄ちゃんかっこよかったぜ!!」
普段の嵐とはまるで別人のコートの上のカッコよさに弟たちは全貌の眼差しを寄せていた。
「よぉ、嵐。かっけぇーじゃん。」
「健兄、匠兄。君らも早くこちら側に来たまえ。」
どや顔でユニフォームで汗を仰ぐ嵐に、
「この野郎」とじゃれている。
「ららちゃん!」
その時、急いでこっちに向かってきた日本代表選手の一人…、
「あ…」
ららが真っ赤な顔をしてうつ向く相手は、真っ直ぐな思いのこもった視線で見つめる想汰だった。
「来てくれたんだ…ありがとう。」
「ああ。いえ…」
そんな視線に気付き、目を背けてしまってる。
「え、なんだこのいい雰囲気・・・」
居心地の悪そうな感じに未茉は絶句していると、
「せっかく応援に来てほしいって呼んだのに、全然プレータイム貰えなくて」
「いやそんなことないです!!高校生で選ばれただけでも凄すぎです!!」
「ありがとう。」
ほっとしたように微笑む想汰の元へ、肩に手を回す健がやってきた。
「あー、だから今日は張り切るって言ってたのはこういうことか。」
ニヤニヤ顔で想汰を見てアシストをだす健に、
「煽るなよー健。結局、活躍出来なかったし。」
「俺らの同世代がそのユニフォーム着れるだけで最高にカッコいいぜ。」
ポンッと肩を叩いてウィンクする健の言葉に、
「お前大好きー。慰めてー」
「おう。優しく抱いてやるぜ。」
ころっとお茶目な表情で抱きつく想汰と健のやりとりに一同は笑ってると、翔真に気づいた。


