「健さんに匠さん…!!」

同じ東京の高校生ながらも、その圧倒的な存在感ときらびやかさに周囲の客達も気づいたのか指を指して色めき立っている。
「特にあのDVDは強烈に印象残ってるからな。ぷっ」
思い出しただけで笑かしてくれるぜと健は吹き出す。

「やっやっめてくださいよあれは…」
何度か会っているものの、結城と三上も未だ緊張の面持ちだ。

「全く。明徳は低次元な奴らの集まりだな。」
目を細めて冷たく突き放す匠は、未だにあまり彼らには好意的ではない様子だ。

「あれ、未茉と湊は?」
招待席を見渡しても見当たらない二人の姿に訪ねると、
「飯を買いに行ってます・・。」
「ぶっあははっ未茉らしいな。」
笑い出す健に、
「おいおい、大丈夫か?フラフラさせて。未茉も今じゃわりと有名人だぜ?ったく。湊はそういう配慮が足りないな。」
双子でも全く正反対の神経質な一面を見せる匠は、ぶつぶつと怒っている。

((やっぱり翔真と付き合うこと納得いかないんだろうな。))
口にはしないものの、結城と三上はそんな匠の様子を感じとった。