放課後の体育館裏。
遠くで吹奏楽部の練習している音と、運動部の「ファイトオー」という掛け声が聞こえてくる。
それ以上に、自分の胸がドキドキと大きな鼓動を打つのを感じる。
目の前にいる大好きな人が口を開く。
「俺、中岡に言わなきゃいけないことがあって……」
***
「期末が終わってもうすぐ夏休みだが、あまりはしゃぎすぎないように。
特に期末で赤点を取った者は補講授業があるので、しっかり復習を……」
そんな先生のホームルームは無視して、みんな楽しそうに近くの席の人同士で喋ったり、スケジュール帳を開いて夏休みの計画を立てて浮かれていた。
私、中岡美夏も先生の話なんてそっちのけでスマホの画面とにらめっこしていた。
起動されたメッセージアプリの入力画面には、『8月1日の花火大会一緒に行かない?』と書かれている。
しかし、なかなか『送信』のボタンを押す勇気がない。
今度行われる花火大会に、同級生の池田卓也を誘おうとしているのだ。
ただ、誘おうとしているわけではない。
私は、花火大会で一番大きな花火が打ち上げられたその瞬間に、池田に告白しようと思っているのだ。
スマホを持つ手が緊張で震える。
やっぱ、この文章だと少し素っ気ないかな?
もうちょっと絵文字とか顔文字とか足してフラットな感じにしたほうがいいかな?
と悩んでいたそのときだった。
遠くで吹奏楽部の練習している音と、運動部の「ファイトオー」という掛け声が聞こえてくる。
それ以上に、自分の胸がドキドキと大きな鼓動を打つのを感じる。
目の前にいる大好きな人が口を開く。
「俺、中岡に言わなきゃいけないことがあって……」
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「期末が終わってもうすぐ夏休みだが、あまりはしゃぎすぎないように。
特に期末で赤点を取った者は補講授業があるので、しっかり復習を……」
そんな先生のホームルームは無視して、みんな楽しそうに近くの席の人同士で喋ったり、スケジュール帳を開いて夏休みの計画を立てて浮かれていた。
私、中岡美夏も先生の話なんてそっちのけでスマホの画面とにらめっこしていた。
起動されたメッセージアプリの入力画面には、『8月1日の花火大会一緒に行かない?』と書かれている。
しかし、なかなか『送信』のボタンを押す勇気がない。
今度行われる花火大会に、同級生の池田卓也を誘おうとしているのだ。
ただ、誘おうとしているわけではない。
私は、花火大会で一番大きな花火が打ち上げられたその瞬間に、池田に告白しようと思っているのだ。
スマホを持つ手が緊張で震える。
やっぱ、この文章だと少し素っ気ないかな?
もうちょっと絵文字とか顔文字とか足してフラットな感じにしたほうがいいかな?
と悩んでいたそのときだった。