さて、案山子家の物語を語るには語り部という役割が必要ではないか、
今回の語り部は泰人の甥に当たる遠、そう僕こそがこの話の語り部だ。
叔父の世界は尊く儚くて美しい、それを僕が証明しよう。
物語はほんの少し昔僕の出生から始まる。
出生時の記憶があるのか?だって。あるわけが無い。
これは僕自身の記憶と両親からの証言を織り交ぜて語る僕の〝凡そ〟の物語なんだ。