マリアちゃんと鬼ごっこ



「うわああ……っ」

「きゃあああ……!!」

クラスメイトたちは叫び声を上げて次々と廊下に飛び出していった。

「永人、俺らも逃げよう!」

気づくと、教室には俺と凛太郎と三花だけになっていた。三花は人形にされてしまったふたりを呆然としながら見つめていた。俺は放心状態になっている彼女の手を強く引いた。

「三花、行くぞ!」 

「……う、うん」

乱雑になっている机を避けて俺たちも教室から出た。その間もスマホは一定のリズムで振動し続けている。

おそらくマリアは昇降口から校舎に入っている頃だ。と、なると外に出るためには渡り廊下を使って西棟に行くか、非常口から外階段で下りるしかない。

距離的には渡り廊下のほうが近いけど、外階段を使えば裏門が目の前にあるので非常口を目指すことにした。

緊張感の中でなんとかたどり着き、閉まっていた門を乗り越えて学校から離れると、スマホの振動がやっと止まった。

画面を確認すると、みんなもうまく校舎から出たようで青色の点滅が四方八方へと散らばっている。

俺たちの位置情報がわからないマリアはまだ学校に留まっているようだ。