それから暫くはお互い講義やバイトで会う機会がなかなか作れない事も増えた
だからといって冷めることはなく、少ない時間でも会えることが嬉しくて愛情表現がお互いに増えた気がした
講義が被ることもたまにあったが、一緒に講義を受けるなんてことは無くて、それぞれの友人と行動した
大学ですれ違う時も目配せはするが特に何もしなかった。なんだか大人の恋愛をしている気分で子供な私は完全に浮かれていた

文化祭が近づいたある日、突然私たちの愛は終わった
彼の一言「別れよう」それだけで

もちろん、私は「嫌だ」と彼に縋った。理由も分からない、突然過ぎたから
何か悪い所があるなら直すから教えて欲しい、好きな人がいるなら言って欲しい
なんて在り来りなセリフを彼に投げかけた

「悪いところは無いよいい女だと思ってる」
「好きな人はいないよ」

そんなことばかり言う彼に無性に腹が立った
別れる理由なんて何処にもないじゃないか、あの日結婚しようって言ってくれたのは全くの嘘じゃないか、許せなかった

「ごめん、急すぎたねお互い考える時間が必要だと思う。やっぱり1週間時間が欲しい、それまでにもう1回考えてみるから」

彼は一方的にそう言って私との連絡を絶った
私は待つだけ。経験は無いけれどまるで死刑宣告をされて実行を待っているような気分だった
それでもまだ、希望はある。1度は留まってくれた、考え直すと言ってくれた
環境が変わり、気持ちが揺らぐことは誰だってある、考え直したいと言うことはまだ私に気持ちがあるということで、ならば別れないという選択を取ってくれる。彼ならそうしてくれる。と、信じていた