歴史サークルは、その名の通り歴史について調べたり、同じ歴史好き仲間と語り合う部活。「日本史」と「世界史」どちらについても語り合えるから楽しいんだ。私は主に江戸時代について調べている。
サークルの部室は少し距離がある。駆け足で向かってドアを開けようとすると、部室の中がいつもより賑やかに感じた。
「姫はまだなのか?」
「本当にここに来るのか?」
「来なかったらお前に苦痛を与えてやろう」
物騒な言葉が聞こえてきた気がするんだけど……。というか、この声は全然聞き覚えのない声だ。誰?
私が緊張しながらドアを開けると、「やっと来た〜!!」と結香さんが飛んでくる。そして苦しいくらいに抱き締められた。
「ゆ、結香さん……。苦しいです……」
私がそう言うも、結香さんは私を離そうとしない。むしろ、締め付けてくる力がさらに増したような気がする。
「ごめん!でも、今すっごくあたし興奮してるの!だってヤバいんだよ!イケメンでサディストとかあたしのタイプそのもの!あたしを拷問してほしい!」


