友達と話しながら、午後の過ごし方の計画を立てていく。その時、スマホが振動した。誰かからメッセージが届いたみたい。

「ん?結香さんからだ……」

結香さんは、私の入っている歴史サークルの先輩だ。三年生で見た目は可愛らしくて歴史に詳しい女の子だろう。見た目は。

結香さんの裏の顔を知ると、大体の人がドン引きする。告白した男性が「やっぱり告白はなかったことに……」って言って逃げるくらい。

結香さんは、歴史は歴史でも犯罪やら拷問やらヤバい歴史が大好きなんだ。だから、歴史に名を残す犯罪者のことはこれでもかというほど詳しいし、笑顔で拷問のことを語るから怖い。裏でサークルのメンバーは「ナチュラルサイコパス」って呼んでいる。

『至急、至急!歴史サークルの部屋に来て!!早く!!』

急いで、というスタンプが何度も送られてきて、私は慌てて『わかりました。すぐに向かいます』と送る。嫌な予感しかしないけど……。

何が起こっているかなんて想像もできないまま、私は歴史サークルの部室へと向かった。