「なるほど……」

「それなら公平な勝負になるな」

「絶対に負けない」

「必ず私が捕まえます」

「よし、やろう」

五人は目をぎらつかせながら近付いてくる。こんな面倒くさいこと、絶対に嫌!

「まっ、待ってください!そんなことをしなくても皆さんが諦めてくれたら……」

説得しようとすると、ニヤニヤしている結香さんに「舞ちゃん、捕まっちゃうよ?逃げなくていいの?」と言われ、強制的に鬼ごっこが始まってしまった。

「絶対にこんな恋愛嫌!」

捕まってたまるものかと私は部室を飛び出す。すぐに五人は追ってくるので、最初から全速力で走るしかない。

絶対に捕まることのできない恋愛ゲームの始まりだ。