「顔色が悪いね。紅茶でも淹れようか?」

「椅子に座った方がよさそうだね」

コウノトリさんが紅茶を用意してくれて、ユダのゆりかごさんに手を引かれて座らされる。そして、ラックさんに「食べたかったら食べていいぞ」とシフォンケーキを渡された。

私は紅茶を飲み、とりあえず心を落ち着かせる。先ほどから非現実な出来事とグロテスクな話に頭が整理しきれない。深呼吸を繰り返していた時、ふと疑問が浮かんだ。

「そういえば、ラックさんたちはどうして私に対して好意を抱いているんですか?漫画の中にいる人と関わるなんて、普通は無理だと思うんですけど」

「一目惚れ」

中国式水責めさんがすぐに口を開いた。

「私たちは、突然この世界に来てしまった。その時にそこにいる結香とその妹から色々話を聞いて、写真を見せてもらった。その時に全員が姫に惚れた」

そう言われた後、キスをするのではないかと思うほど近づかれ、ドキッとしてしまう。そのまま耳元に顔を近づけられ、「私を選んでくれないかな?」と言われ、頬が赤く染まっていく。