「あれ? アーニャ、おじいちゃんはいないの?」

 デュークがアーニャと会ったなら、ジョシュアにも会わせないと面倒なことになる。
 だが、見回した室内はアーニャ以外に誰もおらず、レーヴは首をかしげた。

「あれ? 今、休憩時間じゃないよね?」

 ──ドォォォォン!

 どうしてみんなはいないの、と続けようとしたレーヴの声は、突如聞こえてきた轟音にかき消された。

「な、なに⁈」

 慌てふためくレーヴの向かいで、やけに冷静なアーニャが苦笑いを浮かべる。

「えーっと……洗礼、かしら?」

「はぁ?」