「優…帰ってきてくれてありがとう。
子供、諦めないでいてくれてありがとう。」

「ミイ……ずっとそばにいるから。もう絶対に1人にしないから。」

そう言って、まだ平らな私のお腹に手を置いた。

「ここに、いるんだな。俺たちの赤ちゃん。」

「…うん。なんかまだ実感がわかないよ。」

「大切にしよう。
絶対に無理するなよ? 俺、なんでもするから。
家事も一緒にやる。これでも寮では1人で生活してたんだ。ひと通りのことは出来るよ。」

「そっか。それは頼もしいね。
じゃあパパ、頼んだよ?」

「パパ…」

パァーッと顔を輝かせて、優が嬉しそうににっこりする。

「う、うん! マ、マ、ママ!
…よろしくな?」


…顔がニヤける。


側から見たら、バカップルと言われそうだけど、嬉しいものは嬉しい。
私達はこうして、少しずつ親になっていくのだろう。

未来の種を育てながら。



第1部 ~完~