「優? 大丈夫?」

「……ほ、本当に?」

「うん。味覚障害じゃなくて、つわりだったみたい。」

「…や、やった! やったー‼︎
ミイ! やったなー‼︎‼︎」

優が私を思いっきり抱きしめる。

「良かった! 良かった〜‼︎
…………ウッ、ウウッ、ミイ〜良かった〜!」

優が泣いてる…

「………うん。良かった…。」

奇跡が起きた……そう思った。
込み上げてくる涙が、いつもとは違う涙で。
幾度となく涙を流した。でもこの涙は違う。喜びの涙なんだ…。

「ミイちゃん、おめでとう。」

お母さんの目にも涙が浮かんでいる。

「美衣子、良かったな。
優、お前はいい仕事をした!」

「はい! ありがとうございます!」

お父さん……

「この時間なら、今からでも大学病院に行けるだろう。ちょうど優も帰ってきたんだ。2人で行ってこい。昇平には俺から連絡しておくから。美衣子、準備しろ。
紹介状を用意しておくから、クリニックに寄ってから行きなさい。」