「ミイちゃん、しんどい?
ほら、横になって。お熱測ってみようか?」

どうやっても世話を焼いてくれるみたいだ。
私が横になったところで、父が到着した。

「美衣子! 大丈夫か?」

「うん。微熱だし、咳もないの。食事が美味しくないだけだから。」

「……そうか。よし、じゃあこれ持ってトイレに行ってこい。」

そう言って紙コップを渡された。

「…? 尿検査?」

「歩けるか?」

「……うん。大丈夫。」

そしてお父さんの言う通り、採尿してリビングに戻った。父は受け取って栞のようなものをスッと入れた。

「……やっぱり。」

「お父さん、検尿でわかるの⁉︎」

「ああ、もちろんだ。」

検査って、1日で結果が出ないんじゃなかった?

「まあ! ミイちゃん!」

「美衣子、感染じゃない。妊娠だ。」

「え?」

お父さん、今なんて言った⁉︎

「美衣子の症状は悪阻だ。感染じゃない。妊娠したんだよ。うちは小児科だけじゃなく、一緒に来た母親も診てる。当然検査キットもある。どう考えても、その症状は妊娠初期の兆候だからな。すぐわかったよ。」

「……ほ、本当? 私、赤ちゃん、出来たの?」

信じられない……
まだ治療、始めてなかったのに。