その後、母のハヤシライスを皆んなで食べて、私達は優のご両親に会いに行った。

久しぶりに会った私に、ご両親はとても喜んでくださった。
でも、問題の話になると、表情は明るいとは言えなくなった。

「……父さん、母さん、俺には小さい頃から美衣子だけだったんだ。
美衣子と結婚できないのなら、多分俺は誰とも結婚しない。
そうしたら、そもそも子供は出来ないよ。」

「……そうでしょうね。あなたのその執着心、誠にそっくりだわ。」

「執着心。いいじゃないか。一途と言ってくれ。けど、俺の周りは皆んな一途だぞ?」

「まあ、確かにそうね。それより……。
ミイちゃん、今は体の調子はどうなの? 
辛くない? 大丈夫?」

「はい。手術をしてから、まだそんなに経ってないんだけど、少しマシな気がして…。
気の持ちようかもしれない。
でも可能性があるって聞いて、軽くなったのかも…。」