未来の種

「優！　違う。違うの。
ちゃんとわかってたよ？　優が大切に思ってくれてるの。
でも…でも…。
あの時は、私じゃない誰かと幸せになって欲しかったの。優に幸せになって欲しかったの。」

「あの時は？
じゃあ、今は？　今もそう思ってる？」

「……わからない…。
でも、まだ自信がない。
私、優を幸せに出来る自信がない…。」

「そんな自信なんて必要ない！
そばにいてくれるだけでいいんだ。離れていても、俺の心のそばにいてくれるだけでいいんだよ！」

「優…」

1番欲しかった言葉を、あなたは簡単にくれる。

「美衣子、嫌なら俺を跳ね除けて。」

そう言って口付けてくる。
優だ。優が帰ってきたんだ。会いたかった…。こんなの、拒めるわけないじゃない。

いつか結婚して2人で幸せになる。
子供は、男女2人は絶対に欲しい。
3人でも4人でもいい。
2人の未来は１つだと、信じて疑わなかった頃が懐かしい…。