きみの指先にともるひかり


彼女だったら、言ってもいいのかもしれない。

「時々、眠ることが怖いと思うことがあるんだ」

自分でも情けなくて、弱々しい声だった。

「怖い?」

「ああ。目が覚めて、明日になっていると思うと。多分、明日が怖いんだ」

朝、目が覚めて眩しいひかりの下に出て、大きな人の波に揺られる。揺られることはひどく簡単なのに、その波に抗うことはとてつもなく大きな、巨大な力がいる。

普通でいることを、並でいることを強要される。遂には、誰かよりも優れることが良いことだとされる。