今まで温度がちょうどよくなっていたが、最近は暑くなってきてもう夏になってきた。
7月半ばで、お昼休み中。
「暑いね」
智子は椅子に座って、お互い向き合いお茶をゴクゴク飲んだ。
「うん、暑い」
私は下敷きでパタパタして、智子に言う。
「んで、上杉くんとはどうなの?」
智子はまたお茶を飲んでから、私に言った。
「え?なんにもないよ」
私は智子を見て、目を大きく開けた。
「…いや、え?あの時から?」
智子は口を大きく、ポロポロと水を垂らしていた。
「あ、智子。垂れてる垂れてる」
私はあっと声を出してから指をさした。
「…あのバトルから…」
智子は大きい目を丸くして、私に驚いた声を発した。
「上杉くんとは、ほんとに」
私はそう言って、頬杖をついて智子に伝える。
別に期待している訳ではない。
上杉くんとは、友達になったばかりなのだから。
すると、後ろから誰かの声がした。
「相波さん。今いい?」
上杉くんは私に目を輝かせて、聞いてきた。
あのバトルから上杉くんは挨拶する程度で話しかけてくるけど、
深い話はしなかった。
なんだろう。あのバトルのことかな。
私は不思議に思いながら、上杉くんに答える。
「…いいけど…」
私は返事をして椅子から立ちあがり、智子をちらりと見た。
智子は、行ってきなと手で合図していた。
私は智子に頷いてから、上杉くんに答える。
「じゃあ、行こう」
上杉くんは私が返事をした後に、優しそうに微笑んで私の手を繋いだ。
私は手を繋いできた上杉くんを目を瞬きせずに、繋いでいる手を見た。
その姿を見たクラスメイトはコソコソと噂話をし始めた。
今の見た?
上杉くん、結愛ちゃんの手繋いだよね。
見た見た、上杉くんと結愛ちゃんってほんとに友達なのかな。
と噂話だが、ガッツリ聞こえてしまった。
上杉くんとはただの友達なのにな。