「はあ、なんか疲れたな」

 瑠翔は、はあとため息をついて、ベットに横たわる。

「まぁ、いつものことだよ。この時期になると毎回そうでしょ」

 私は片手にオレンジジュースを持って、笑っていた。

 笑っていると、瑠翔は私の近くに来て、答える。

「…結愛。これ……」

 瑠翔は私の傍に来て、何か渡された。

「これって……」

 私は渡されたものを開けると、ネックレスが入っていた。

 そのネックレスは、私の好きなクマのキャラクターだった。

 私は嬉しさのあまりに言葉を失った。

「……大丈夫か?」

 瑠翔は心配して私の顔を伺うように聞いてきた。

「だ、大丈夫。感動しただけだから…。あ、ありがとう」

 私は涙を浮かべて、瑠翔に抱きついた。

「……結愛…」

 瑠翔は驚いたのか私の名を呼んでいた。

「…クリスマスはいつもご飯食べて終わりだったから…」

 私はネックレスを両手で持って、大切に扱うかのように撫でた。

 彼女になっても変わらないと思ったから…
 
 少しは期待していたけど…ほんとに嬉しかった。

 ほんとに……

「結愛…。俺はいつもどんな時も結愛といるだけで幸せだったし、俺が結愛に渡すのが恥ずかしかった…だけで……結愛がそんな風に思ってくれたとは…」

 瑠翔は私の目を凝視して、自然に涙が溢れていた。

「瑠翔…」

 私は瑠翔を呼んだ。

 瑠翔は私を見てから、私の肩を持って抱き寄せた。

「…好きだ。結愛」

 瑠翔は好きと言って、私が持っていたネックレスを手に取り、私の首に回してつけてくれた。

「…あ、ありがと」

 私は照れながらも、瑠翔は強く抱きしめた。

 抱きしめても足りないくらいに……

 瑠翔は抱きしめてから、私の唇の近くによって、私は拒むことなくキスを受け入れた。

 瑠翔と付き合ってから初めてのキスだった。

 ニセ彼女の時に一回キスをしたが、あれはニセ彼女の掟に沿って行ったことだから…

 驚いたがその時も嬉しさはあった。

 今も戸惑ったが、全然嫌じゃなかった。

 優しく私の唇を触れる程度のキスだった。

「……飲もうか」

 お互い下を向いて、顔を赤くしていた。

 それから私たちは黙ったまま、オレンジジュースを飲み干してから、またキスをした。

 私たちは笑いあって、クリスマスを楽しんだ。

 この時のクリスマスが人生で一番幸せを感じて、私は一人瑠翔とのことを思い出しながら、夜まで目を覚ましていた。

 思い出し笑いをして、私は布団に被った。