もう、元から湊翔くんしか頭にいない。

「ほら、グラウンド戻ろう瑠奈ちゃん」

「うぅ……湊翔くん、意地悪です……」

「だっろ?瑠奈、こいつ全然王子じゃねーよ」

……意地悪でも。

「湊翔くんは、王子様ですっ……」 

「っ……だってよ、仁。どうやったらお前と正反対の妹が生まれてくんだよ」

「知るか!んなの母親に聞けよ!」

湊翔くんは、私の王子様。

これから、体育祭の勝負が始まるけど……。

たとえどんな結果でも、もう答えは決めてあるから。