♕湊翔side♕

──カランカラン♪︎

夕方、カフェに来客を告げるベルが響いた。

「おっ、み~な~と~。“あの子”だよ」

そう俺の肩を叩いてきた店長。

厨房からボックス席を見ると、俺のお目当ての女の子がいた。

今日も来てくれたんだ……。

「名前、なんだっけ?えっと……」

「……“出雲瑠奈”ちゃんっすよ、店長」

「そうそう、瑠奈ちゃん!またカフェラテを頼んでるから、楽しませてあげな?」

ぽんっと今度は肩に手を置かれた。

あの子……出雲瑠奈ちゃんは、好きな子。

親友の妹で、俺の初恋の女の子。