樹さんのぶっきらぼうな感じが、最初は苦手だったけど、柊君のことで励まされてからは、それもちょっとずつ受け入れられるようになっていた。


『本当、強引だな…』


私は、ガラスの向こうの樹さんをチラッと見た。


確かに、柊君と同じ見た目なのは…やっぱり、少し戸惑う。


本当に…似すぎてるから。


だけど…中身は全然違う気がする。


まだ樹さんを良く知ったわけじゃないけど…


それでも、何となく…


違うって、そう思うんだ。


その日は仕事が終わってから、すぐにマンションに帰り早めに休んだ。


次の日は朝から晴れて、窓を開けると冷たい風が吹き込んで来た。


私は、その風を頬に感じて少し身震いした。


風邪を引いたら困るから、慌てて窓を閉めた。


今日は…会社は休み。


待ち合わせの時間までは余裕があるから、ゆっくりと支度をしてマンションを出た。


駅に着いて、私は…樹さんをすぐに見つけた。


だってオーラで眩しくて、一際目立っていたから…