『その話し合い、俺も立ち会わせて』


え?


『樹さんが?どうして…ですか?』


少し黙る樹さん。


『ちょっと…』


そう言って、また黙った。


『もしかして…樹さんは、柊君の女性関係のこと知ってたんですか?』


思い切って聞いてみた。


樹さんは、ため息をついてから、その質問に答えた。


『…最近の柊のことは全く知らない。それは、本当だ。俺は、柊のことは悪く言いたくない。だけど、昔からあいつのことをずっと見て来たし…いろいろわかってるつもりだ』


私は、樹さんの言葉に真剣に耳を傾けた。


『もし、お前が柊の女性関係で悩んで...その...そんなに目を腫らしてたんなら...黙ってられないって...』


樹さん…


『…私...正直、この先どうすればいいのか...よくわからなくて...』


何故だろう?


私、今、樹さんを頼ってしまってる?


そう言えば、樹さん、どうしてここに連れて来たんだろう…


もしかして、この話をするために、わざわざ私をフロアから連れ出してくれたのかな…