『樹さん?あ、はい、何ですか?』


『これ、この荷物運ぶの手伝って』


目の前に置かれた1つのダンボール。


え?


これを私に運べって?


『あの…』


『早く持って、着いてきて』


よくわからなかったけど、とりあえずダンボールを持って、樹さんのあとを着いて行った。


中身は…何だろ?すごく軽いけど…


私達はフロアを出て、エレベーターで最上階に向かった。


最上階に着くと、


『ここに置いて』


と、樹さんが言った。


『あ、はい』


言われるままに、私はダンボールを下に置いた。


大きな窓のある見晴らしの良い場所には、ソファがいくつかあって、外を眺められるようになっている。


ちょうどその辺に立ちながら、樹さんが言った。


『柚葉。柊と何かあった?』


私達の様子がおかしいことに気付いてたんだ。


『…い、いいえ。別に何にも…』