『柊君…ちょっと…よくわからないんだけど…』


それが、精一杯、私の口から出た言葉。


『泣かないで、柚葉』


柊君は、私の頬に触れようとした。


でも、私は…


思わず避けてしまった…


今まで、涙を優しく拭ってくれる手を振り払うなんて、絶対無かったのに…


無意識に、私は柊君を拒否したんだ。


『ごめん…驚かせたね。結衣とは1年前に知り合って、意気投合して付き合うことになって…』


もう、意味がわからない。


上手く聞き返す言葉も見つからない。


『…二股ってこと?』


聞くまでもなくそうだろう…


バカな質問しちゃった…


『二股じゃないよ。僕が1番好きなのは、紛れもなく柚葉だから。結衣は…ただ、僕が好きな人。2番とか、3番とか、柚葉以外に順番はないんだ。みんな、ただ好きなだけだよ。だから…結婚するのは、絶対に柚葉だけ』


『…ちょっと待って…柊君…女の人は、さっきの人だけじゃないの?』