『ごめんね、新婚旅行すぐに行けなくて。仕事が落ち着いたら絶対に行こう。なるべく早いうちに…』


『うん。でも、気にしないで。これからいつでも行けるんだから。大丈夫だよ、私は』


『そう言うわけにはいかないよ。新婚旅行は特別だから。僕達が結婚してから初めて行く旅行だしね』


毎日忙しく頑張ってる柊君と、2人だけで新婚旅行に行けるなんて…ただただ嬉しい。


『僕さ、新婚旅行は…アメリカに行きたいんだ。樹が暮らしてた辺り、すごく景色もよくて綺麗なんだ。柚葉に見せてあげたくて』


『本当に？素敵だね。アメリカって行ったことないし、柊君と一緒に行ってみたい』


『決まりだね。必ず連れていくよ』


私は、微笑みながら深くうなづいた。


子どもは何人欲しいとか、名前を何にするとか…


いっぱい話してるうちに、ずいぶん時間が経ってしまった。


夕方になり、日が少しずつ落ち始めて来た。


秋の夕暮れは、やっぱり肌寒い。