2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】

こんなに甘い言葉を並べられて、全然言われ慣れてない私は、どんな顔をすればいいんだろ?


それ以上何も言えなくてモジモジしてる私の手を、柊君は自然に優しく握り直してくれた。


私達は…


また黙って歩道を歩き出した。


私の瞳から自然に流れ落ちる物に、気づかれないようにって必死だったけど、でも…


すぐに気づかれてしまったみたいだ。


柊君は、空いている右手で頬を優しく撫でてくれた。


そして…


次の瞬間、私を…抱きしめてくれたんだ。


「柊君…?」


歩道の上、他には誰もいなかった。


私達はお互いの温もりに浸り、しばらく離れることが出来なかった。


この胸の高鳴り、きっと、柊君に伝わってしまってるだろう…


どうしようもないくらいの無上の幸せを噛み締めながら、私は…


ずっとずっと、この人と一緒にいたい…


一生、寄り添って生きていたい。


そう、心から強く思ったんだ。