2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~【リニューアル版】

「そんな訳ないよ。それなら、私の方こそ…一緒にいて退屈じゃないかって心配だよ」


身長157cmの私からすると、柊君は20cmも高くてちょっと見上げる。


逆に、柊君は右側から私を見下ろして、ニコって笑って言った。


「僕は今が1番幸せだよ。柚葉とこうしていられるだけで…充分」


「本当…に?すごく嬉しいけど、でも…柊君みたいな素敵な人の彼女が…こんな地味な私で本当にいいのかなって…」


恐る恐るの質問。


私は、左側からまた柊君を見上げた。


「柚葉に出会えて、本当に良かったって思ってるよ。ほら、ドラマとかでよく使われるセリフあるでしょ。生まれてきてくれて、僕に出会ってくれてありがとうって。あれ、今の僕にはすごくよくわかるから」


柊君の手の力がギュッって少し強くなったのを、手袋をしてても感じた。


「柚葉を生んでくれたご両親に感謝だね」