『樹。会社はこれからも頼むよ。ISは僕達の会社だから』


柊が言った。


『ああ、もちろんそのつもりだ。柊と一緒に、まだまだISを大きくしたい』


『ありがとう、心強いよ。春には、樹に副社長になってもらって一緒に頑張りたい。ISは必ず世界一になるんだ』


『柊、ISって…どういう意味なんだ?』


今さらだけど、意味を聞いたことがなかった。


『知らなかったの?嘘だろ?僕、言わなかった?』


『悪い、聞いたことがない。ずっと気になってて』


『…そっか。僕1人だけしか知らなかったんだな。柚葉にも話したことなかったから』


『そうなのか?柚葉にも?』


『ああ。隠してるつもりもないけど、ちょっと照れくさかったから…お前のIと、僕のSなんて。単純過ぎて笑えるよな』


そうだったのか?


樹のIと、柊のS…


確かに単純だ。


でも…涙が出そうなくらい…嬉しかった。


柊は…


どんなことがあっても、俺の大切な…優しくて頼りになる、立派な兄さんなんだ。