『…でもね。プロポーズの返事は…やっぱりすぐには出来ないよ。柊君との結婚が破談になったばかりだし、今すぐには…それに、私、もっと樹のこと、知りたい』


『わかってる。お前の気持ちが結婚に向くのを、俺は待つ。何年でも待つよ。それまでは、俺と…一緒にいてくれ。もう恋人になってもいいだろ?』


私は…


その問いかけに『うん』って、笑顔でうなづいた。


柊君のことはあるけど、それでも…


私は樹が好き。


その気持ちに正直になりたかった。


私達は、キス以上のことはまだしない。


ただ、おでことおでこをくっつけたり、頬や髪を触ったり…


今は、それだけで充分。


これからは、もっとたくさんあなたのことを教えてね…


例え、顔が同じでも、中身は全然違う。


樹は、何があっても樹だ。


柊君とは…違う。


きっと、あなたは私だけを好きでいてくれるよね。


不思議だけど…


私は、自然に当たり前のように樹を信じることが出来た。


結婚のことは、今はまだわからないけど、でも…


ずっと…


この人の側にいたいって…


そう思ったんだ。