だけど…


ただでさえ仕事が大変なのに、私のことで余計な心配かけたくない。


柊君には、仕事以外ではいつも笑ってて欲しいから。


穏やかに笑う柊君に、私は何度癒されて来たかわからない。


そうだよ。


もし佐藤君が来たら、部屋に鍵をかければいいだけだよ。


無視して相手にしなければ、きっと諦める。


何かあれば警察を呼べばいいし。


大学時代、私と付き合ってるのに、自由気ままに女の子と好きなように遊んで…


体の関係も…


きっと1度や2度じゃなかったはず。


私は、すごく傷つけられたんだ。


なのに、今さら…


何を相談したいって言うの?


図々しいよ。


柊君に…


本当は、頼りたい…


頼って、怖いって、自分の気持ちをちゃんと言いたい。


守って欲しい…って。


だって、さっきから佐藤君の怖い顔が思い出されて、ずっと体の震えが止まらないんだもん。


その時、携帯が鳴った。