私は、佐藤君のことを真奈に話した。


『有り得ないよ。浮気しといてあの態度。あいつ、まさか柚葉にお金借りようとかしてる?借金で怖いヤツらに追われてるとか。そんな感じの顔してたし』


そんな…


そんなの困るよ。


『でも、佐藤君、私がどこに住んでるとか知らないはず』


『あいつ、柚葉の部屋に行くって言った。柚葉がマンションに住んでるって知ってるんだよ。誰かに聞いたとか。ストーカーかも知れないし、早く社長に話した方がいいよ』


確かにそうだけど…


『…柊君に話したら、心配かけてしまうから』


『何言ってるの!結婚相手でしょ?ちゃんと話さないとダメだよ。社長なら絶対に守ってくれるから』


柊君には、出来れば話したくなかった。


浮気された過去なんて…


『話づらいなら、私が話そうか?』


『…ありがとう、真奈。でも、大丈夫。何とかするから…』


真奈はすごく心配してくれたけど、予定があったみたいで私達はそのまま別れた。


ちゃんと社長に言うんだよ…って、何度も忠告してくれて…