『いや、真奈とは…いつ…』


『ああ…結婚ね』


『すみません、立ち入ったこと聞いて』


『全然。うん…俺は…もちろん結婚したいって思ってるよ。もう、26だしね。でも…カフェ店員の稼ぎじゃね。真奈は、俺より頑張ってるから』


良介君は、ちょっと下を向いた。


そんなこと気にしてたんだ…


『良介君は、すごく頑張ってるじゃないですか。誠実だし、ものすごく優しいし、好感度バツグンですよ。お金のことは…気にしなくていいんじゃないですか…?』


『ありがとう。柚葉ちゃんにそんな風に言ってもらえたら、なんか嬉しいよ。でも、男としてはやっぱり…情けないって言うか…』


『良介君。私…いろいろあって、結婚も破談になったでしょ』


『あ…うん』


良介君は、ちょっと気まずそうな顔になった。


『でも、私、結婚して、もし柊君の会社がダメになったりして、破産?したりしても…それでも、絶対に柊君に着いて行こうって思ってましたよ。たまたま破談になっちゃいましたけどね』