『社長いなくて、樹さんにすぐ話して、一緒に来てもらったんだよ』


『…樹さん、すみません。本当にありがとうございました』


『…いや、柚葉に怪我がなくて良かった』


『…大丈夫です。何も…なかったので…でも、軽率だったとは思います。仕事のことだと思って深く考えずに着いて行ってしまったので…』


『仕方ないよ。専務に呼ばれたら誰だって仕事だと思うよ。柚葉は悪くないから。悪いのはあいつだよ』


『ごめんね…私、本当に…バカだよ』


2人は、それ以上、何も聞かなかった。


いろいろあり過ぎて、精神的に…かなりつらい。


とにかく、専務のいるこの会社から、すぐに逃げたかった。


プロジェクトも年末までには終わる。


本当に、あと…少し。


あと少しの辛抱だから。


全てが終われば…


専務はもちろん、柊君ともさよならだ。


あと少しで…お別れなんだ。


姿を見ることも、無くなるんだよね。


でも…それで…いいんだ。