『専務、お願いです。私のことはもう構わないで』


『こんなに好きなのに?』


専務まで…


みんな、恋愛観おかしいよ。


もう…わからない。


『柚葉!!』


その時、勢いよく部屋に入って来てくれたのは、樹さんと真奈だった。


『お前!柚葉に何してるんだ!!』


私は専務から離れて、真奈にしがみついた。


『樹君。僕は何もしてないよ。柚葉ちゃんが僕の言うことを聞かないから、ちょっと叱ってただけだよ』


『叱ってって、柚葉、怖がってるじゃないですか!』


真奈が、怒ってくれた。


『柚葉ちゃん、何もないよね。僕は、君に何もしてない。事件にでもなったら、この会社のイメージが悪くなるし、社長にも迷惑をかけるよ』


『お前!何言ってる!』


樹さんが、専務に掴みかかった。


『いいの、樹君?君まで僕を殴って逮捕されたら。お兄さんの会社がどうなるか…』