『樹さん…私なんかと遊んでて大丈夫なんですか？彼女さんとかいるなら…』


とうとう口に出してしまった。


彼女がいるなら、2人で会うのは良くない。


いくら、私を励ますためでも…


『いない。彼女なんか』


少し冷たく言った。


『え…いないんですか？本当に？』


『信じないのか？』


樹さんみたいな素敵な人に、彼女がいないなんて…


本当なの？


『…いえ、すみません。樹さんには、素敵な彼女さんがいるんだろうなって…ずっと思ってました。きっと、美人の彼女さんが…』


『…美人…ね。この前、俺が空港で言ったこと、根に持ってる？』


2人とも、苦笑い。


『別に根に持ってるわけじゃないですよ。私が美人じゃないのは…確かだから…』


『あの時は…悪かった』


よそ見をしながら、そう樹さんが言った。


本当に思ってる？


『会って、いきなりでしたからね。ちょっと…ショックでしたけど』


『…』


樹さん、黙っちゃった…