『スプリットだな。次、難しいな』


『右と左に残っちゃって、こんなの当たるんですか?』


『そうだな…じゃあ、体をこっち側に向けて…』


そう言って、樹さんは…


私の後ろに立って、フォームを教えようとしてる。


位置を合わせるため、両手で私の腰を触った。


うわ…


ちょっと…


アメリカ生活が長いと、これくらいは当たり前なのかな?


日本ではこれは…


下手したら、セクハラ…だよ。


だけど…


やっぱり、全然、嫌悪感はなかった。


いやらしさがなく自然だから…かな。


こんなこと…きっと樹さんは、私以外の誰にでもするんだろう。


だけど、やっぱり…


これって…


ものすごくドキドキする行動だよ。


もっとも…


誰にされてもって言うわけじゃない。


触られて嫌な人にされたら、完全にセクハラになる。


そう考えたら、女って…勝手だよね。


私、山下専務に同じことされたら…絶対に背筋が凍るだろうな。


引き合いに出したら可哀想か…