お店の中にいたのは、多くが学生らしい人だった。雑誌売り場、漫画売り場、参考書売り場と、あちこちに制服を着た人がいた。
文房具売り場には、制服を着た女の子が二人いたけれど、おれたちが着くころには用が済んだらしく、レジの方へ歩いていった。
「シャーペン、なんB使ってる?」
いろいろな容器がぶら下がっているのを眺めながら、紫乃ちゃんは言った。
「Bかな。HBだと少し硬いし、2Bだと軟らかすぎる気がして」
「ふうん、そっか」
「紫乃ちゃんは?」
「わたしはHB。筆圧が強いから、軟らかいと粉々になっちゃうの」
あれすごい嫌じゃない?と困ったように笑う紫乃ちゃんに、おれは、悲しくなるよねと笑い返した。間違えて手で払ってしまったときには絶望に近いものすら感じる。影のようにもやもやと黒くなったところを、慎重に消しゴムでこするのだけれど、結局、文字まで消してしまって書き直すというのがお約束の展開。
文房具売り場には、制服を着た女の子が二人いたけれど、おれたちが着くころには用が済んだらしく、レジの方へ歩いていった。
「シャーペン、なんB使ってる?」
いろいろな容器がぶら下がっているのを眺めながら、紫乃ちゃんは言った。
「Bかな。HBだと少し硬いし、2Bだと軟らかすぎる気がして」
「ふうん、そっか」
「紫乃ちゃんは?」
「わたしはHB。筆圧が強いから、軟らかいと粉々になっちゃうの」
あれすごい嫌じゃない?と困ったように笑う紫乃ちゃんに、おれは、悲しくなるよねと笑い返した。間違えて手で払ってしまったときには絶望に近いものすら感じる。影のようにもやもやと黒くなったところを、慎重に消しゴムでこするのだけれど、結局、文字まで消してしまって書き直すというのがお約束の展開。



