このあたりに梅雨入りの知らせが届いてから、一週間くらいが経ったけれど、実際にはもっと経っているような感覚。今年はとにかく雨の日が多いから。わたしは、約二か月前に中学生になったわけだけど、雨の中、クラス表を見上げたのを覚えている。

 一年二組、一番、秋穂(あいお)紫乃(しの)。出席番号をもらうのはこれで七度目だけれど、二番以降の数字をもらったことは一度もない。わたしは中学校の三年間も、ずっと一番らしい。自分のクラスを確認してから、時間があったので、ほかに二つあるクラスの一番の人の名前を見てみた。けれど、みんなアイオよりもあとの音の名字だった。

中学校ともなれば、ほかの小学校の人と一緒になるわけだから、わたしの小学校にはいなかった、アイウチさん、アイさんなんて人もいるかもしれないと期待していたのだけれど、いなかった。小学生のころのように、アイオよりも早い音の転校生に期待するしかないみたい。