腹をいくら抓っても、
怒りのマグマが煮え立つだけで。
このイラ立ちを
誰かにぶつけてしまいそうな俺。
午後の授業が終わり、
早く学校から逃げ出そうと思ったのに。
『斎藤君のウワサ、聞いた?』
クラスの女子のヒソヒソ話が気になり
俺は席に座ったまま
耳に全神経を集中させた。
『アニオタの斎藤?』
『そう。結構イケメンの』
『今日の午後一の授業サボって、
彼女と空き教室で密会してたらしいよ』
『斎藤に彼女いたの?』
『2組の。髪が肩までで、
斎藤と仲いい子。知らない?』
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