「綺月君の方が……
 たくさんの女の子に、囲まれてるのに……」


「なっ……」


「私がお願いしたら、綺月君も
 女の子たちのことを無視できるの?」


「ゾルックファンは、無下にできねぇ。
 そういう商売だし」


「それなら……」


 私だって、
 誰も無視しないで過ごしたいよ!!



 私が一番伝えたかった想いを
 伝える間もなく、
 綺月君の声がかぶさってきた。




「心美は俺に、アイドルをやめて欲しいわけ?」


「え?」
 

「ステージを下りて、
 夢を捨てろって思ってるのかよ?」


「そんなこと……思ってないよ……」