その瞬間、私の心に小さな穴が開いて。

 その穴に、心の痛みが流れ込んできて。

 気づきしまった。



 ――綺月君は
   自分に従う女の子が好きなんだって。




 じゃあ私は、
 自分の気持ちを押し殺さなきゃダメなの?



 『綺月君の言う通りだね』って、
 思ってもいないことで微笑んで。

 納得したような顔で。


 聞き分けのいい子を演じないと
 好きでいてもらえないの?



 そんな自分……嫌だな……