唇が離れ 綺月君の戸惑い声が耳に届いた。 「心美、どうした?」 私、どうしちゃったんだろう…… 「俺、強引過ぎた?ごめん。 心美を見てたら、 気持ちが抑えきれなくてさ」 綺月君に、伝えてもいいですか? 言葉にしたら、 綺月君に嫌われちゃいますか? 心配で。 足がガクガク震えだして。 でも、黙っていられないくて。 指で涙をぬぐい。 心を落ち着かせるように、心臓に手を置き。 真剣な瞳で、私は綺月君を見上げた。