蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集





「心美、約束して」

 優しい声。


「学校で俺以外の男子とは、話さないって」



「できるよな?」と微笑んだ綺月君が、
 カッコよくて。



 少しずつ縮まる、お互いの唇の距離に
 この身をゆだねたくなって。

 瞳を閉じたのに……




 綺月君の想いが伝わるキスを
 唇で受け止めた瞬間
 勝手に涙が溢れてきた。




 幸せなはずなのに。

 キラキラした綺月君が、
 私なんかを好きになってくれたこと自体
 奇跡なのに。


 涙が、止まらない。