「で?……何を考えてた?」 私の目の前に 仁王立ちする綺月君が放った声は、 威圧的で。ちょっと怖め。 「本当に、何でもないよ」 「俺には話せないってだけだろ? 斎藤になら、話せるわけ?」 同じクラスの、斎藤君? 「アニメの話しで、盛り上がってるもんな」 「あれは……斎藤君もヴァン様推しで……」 「今度、一緒にアニメイベントに行くんだろ?」 「斎藤君は行かないよ。 優梨愛ちゃんと二人だけで……」 あれ? なんで私…… 目が吊り上がった怒りモードの綺月君に 責められているんだろう……