蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集



 
 本当に綺月君は、
 いろんな才能に溢れていると思う。



 曲を作って。

 ステージで歌って、踊って。

 お客さんを笑顔にさせて。

 アイドルとしてキラキラ輝く王子様。





 そんな魅力の塊の綺月君と、
 陰にひっそりと佇む私が
 付き合っているなんて、
 奇跡以外の何ものでもなくて。



『一生、俺から離れるなよ』と
 綺月君は言ってくれたけれど。
 
 私は心の奥に、ずっと不安を抱えている。




 この奇跡は、いつまで続くのかな?


 明日、布団から目覚めても
 この夢は覚めないでくれるのかな?




 でも、きっといつか

 綺月君は
 私なんかよりキラキラした人と出会って。
 惹かれ合って、結ばれる。



 その時が来たら……


 私は綺月君に
 感謝を詰め込んだプレゼントをするって
 決めているからね。



『綺月君、幸せになってね』

 サヨナラの言葉を。

 とびきりの笑顔を添えて。