焦っても。もがいても 今の自分ではダメダメな気がして。 私は 資料を棚に戻すことに。 分厚い本を抱え。 頭より高い場所に返そうとした時。 フッと手から本が離れ。 背中に感じる、大好きな温度に 私は慌てて振り向いた。 「き……綺月君!!」 「ムチャすんなって。 本落としたら、あぶねぇだろ」 私を後ろから包むように 綺月君は本を戻してくれて。 乱暴な綺月君の声が、 男らしくて。優しくて。 ドクン。 私の心臓が わかりやすく跳ね上がる。