蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集



 繋がれたままの手。

 この手だけは、繋がっていたい。



 愛情を注ぎ込むように
 千柳様は私の手を握りしめ。

 背を向けたまま
 照れた声を奏でた。



「俺、ちょっと安心した」


「え?」


「雪那も、俺と同じ気持ちで
 いてくれているってことでしょ?」



 それって……

 千柳様も、私に触れたいと
 思ってくれているということですか?



 多分、私の方が……

 千柳様に触れたい気持ちは
 強いと自負しておりますが……