蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集




 さっきよりも
 千柳様の背中が、寂しそうに見える。



 天音君~~

 どれだけ酷い言葉で、
 千柳様を痛めつけたのですか?


 千柳様の心が、
 こんなに弱っちゃったじゃ
 ないですか!!



「千柳様が、私のために
 料理をしようって思ってくれただけで、
 嬉しくて涙が出そうです!」



 私は千柳様の前に回り込み。

 千柳様の右手を、両手で包み込んだ。



「それに。
 エプロン姿の千柳様を拝めちゃうなんて、
 こんなに嬉しい朝は、生まれて初めてです」




 全然、言いすぎじゃない。

 逆に、言葉が足りないくらい。



 千柳様は、私が赤ちゃんの頃から
 お傍にいてくれて。


 多忙な両親の分まで、
 私に愛情を注いでくれて。


 ただのメイドなのに。
 幸せをたくさん与えてくれて。


 
 抱えきれないこの恩は

 彼女になった今、
 どんなふうにお返ししたらいいですか?



 私は一生、千柳様のお傍にいて。

 千柳様の幸せのために
 尽くせたらと思っております。