蜜甘同居こじらせ中 その後 短編集




「あの卵焼きはね……」


 千柳様が早起きして、
 天音君と作ってくださったんですよね。



「天音が作ったの……」



 え??

 千柳様も、
 お手伝いされたと聞きましたが……


 
「だから……
 間違いなくおいしいと思うよ……」



 悲しそうにつぶやいた千柳様が
 ドアをバタリ。




 ひゃっ!!
 ドアが、閉められちゃった!!

 千柳様が、またいなくなっちゃった!!


 
 
 どうしよう……



『雪那のために、卵焼きを作ったよ』と、
 微笑む千柳様に


『嬉しいです!!』って
 
 ウサギみたいに跳ねながら
 お礼を伝えるはずだったのに……